アニメ三銃士

Column45 寛永2年の『アニメ三銃士』

今回は少し軽めの企画。『アニメ三銃士』を楽しむ上でのトリビアとなること確実なメインキャラのパーソナルデータ(年齢・生年月日・身長・体重・血液型)、そして史実の豆知識を紹介します。

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アニメ三銃士 パーフェクトコレクション DVD-BOX 2

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出典元はお馴染み『別冊アニメディア アニメ三銃士 PART1』より。ファンならば誰もが一度は気になっていたであろう、あのキャラの年齢や、このキャラの生年月日や、そのキャラの身長・体重・血液型まで、一挙に紹介します。


『別冊アニメディア』にパーソナルデータが掲載されていたのは、以下の6人です。

■ダルタニャン
・年齢:15歳/生年月日:1610年10月17日/身長:165cm/体重:53kg/血液型:O型


■コンスタンス
・年齢:16歳/生年月日:1609年5月6日/身長:155cm/体重:43kg/血液型:A型


■アトス
・年齢:28歳/生年月日:1597年9月18日/身長:175cm/体重:65kg/血液型:A型


■アラミス
・年齢:22歳/生年月日:1603年4月7日/身長:167cm/体重:47kg/血液型:B型


ポルト
・年齢:25歳/生年月日:1600年11月7日/身長:185cm/体重:85kg/血液型:B型


■ミレディー
・年齢:23歳/生年月日:1602年4月23日/身長:170cm/体重:56kg/血液型:AB型

まず重要なのは各キャラの年齢と生年月日。ここから計算すると『アニメ三銃士』の時代設定は「西暦1625年」ということが判明します。劇中のナレーションでは「17世紀のフランス」と語られるのみだったので、これは中々のトリビアです。
そして年齢を見ると、ダルタニャンの15歳というのは少年らしさを強調したキャラクターなので納得ですが、アトスの28歳というのは驚き。アトスは「銃士隊の最年長」という設定で、少年であるダルタニャンを助け導く「大人の男」というキャラですが。あの雰囲気は単に月日を重ねただけではない、様々な人生経験の上に成り立っている事が窺えます。……でも、ダルタニャンがこの先に色々な経験を重ねたとしても、13年後にアトスの様になっている姿は想像できないなぁ。
ましてやミレディーの23歳というのは、あの妖しい雰囲気からは考えられない。否、裏稼業で様々な秘術や魔術を駆使しているミレディーにとっては、年齢という俗世間の概念など通用しないのかも。
身長体重を見ると、共にポルトスが最大値なのですが、あの体型で体重が大台(つまり100kg)を超えていないのが、個人的には意外なところ。また、アラミスとミレディーの身長がダルタニャンよりも高いのは、大人の女性としての貫禄でしょうか。
最後の血液型についてですが、そもそも17世紀フランスの医療水準において「血液型」という概念が存在していたのでしょうか。いやいや、そんな野暮を言っちゃいけない。結局は劇中に全く反映されなかった誕生日や血液型の設定ですが、ファンが好きなキャラとの星座占いや血液型占いを楽しんだり、誕生日を祝ったり、それぞれに楽しめる要素を仕込んでいたワケですよ。


続いては趣向を変えて、『アニメ三銃士』に登場した史実の人物の年齢を紹介します。
上で紹介した「西暦1625年」という設定に基づくと、以下の様になります。

ルイ13世
・1601年9月27日生(1643年5月14日没)/年齢:24歳


■アンヌ王妃
・1601年9月22日生(1666年1月20日没)/年齢:24歳


リシュリュー
・1585年9月9日生(1642年12月4日没)/年齢:40歳


■バッキンガム公爵
・1592年8月28日生(1628年8月23日没)/年齢:33歳

ルイ13世とアンヌ王妃が共に24歳(ポルトスより1歳年下)とは意外。覇気や精彩があまり感じられず「ダメ中年」のイメージさえあるルイ13世と、身分に相応しい落ち着いた雰囲気を醸し出しているアンヌ王妃が、まだ20代半ばとは。映画などでは史実の年齢に合わせて若い役者が演じることも多い両キャラですが、漫画やアニメでは「王様&王妃様=大人の夫婦」という一般イメージに合わせて、設定年齢を無視するような大人キャラとして描かれています
そしてリシュリューの40歳というのは、さらに驚き。いやいや、あの雰囲気は宮廷内で数々の政争や陰謀を乗り越えた者だけが持ち得る「老獪さ」と言うべきか。対して、バッキンガム公爵は33歳(アトスより5歳も年長!)というのも、劇中で描かれる「軽率な行動をする青年」というイメージからすると意外。そう言えば、『アニメ三銃士』におけるバッキンガムは「アンヌ王妃の幼友達」という設定だったけど、王妃との年齢差が9歳というのを考えると・・・。
年齢に対するイメージは現実とアニメ、現代日本と中世フランスとで違うのは当たり前なのですが、敢えて比較してあれこれ考えてみるのも趣深いものです。


最後に、『アニメ三銃士』の時代設定である1625年における日本はどうだったのか。当時の元号は「寛永2年」で、前年に徳川幕府の3代将軍に徳川家光が就任したのに合わせて改元されました。また徳川幕府が「大阪の陣」で豊臣家を滅ぼしてから10年が経ち、天下泰平への時代が始まった頃。折りしもフランスでは、ルイ13世リシュリューによって、後のルイ14世による絶対王政への基礎固めがされていたのだから、これも世界的・歴史的な流れだったのかもしれません。
当時のフランスと日本との交流は殆ど無く、家光の治世に行われた鎖国政策によってヨーロッパとの交流自体もほぼ無くなってしまうわけですが。ひょっとしたら、本当にひょっとしたら、アニメ三銃士』の世界の何処かに、「マルコ・ポーロの『東方見聞録』に記された"黄金の国ジパング"」からはるばるやって来たキャラクターがいたのかもしれません。