アニメ三銃士

20話:ダルタニャン海を渡る

■放送日:1988年4月8日 / 演出:渡部高志 / 作画監督:田中保

■Story■
一足先にロンドンに着いたミレディーは、バッキンガム公爵の屋敷に忍び込む。
しかし、そこにはダイヤの首飾りは無かった。首飾りは房飾りに形を変えて、公爵が身に着けていたのだ。


ロンドンに到着したダルタニャンは、ウィンザーの狩場で公爵に会い、事情を話して首飾りを返して貰うよう頼む。その時、公爵の飼い鷹サンダースがミレディーの笛に操られて、房飾りを奪い去ってしまう。
コピーの追跡によって房飾りを取り返し、ダルタニャンもミレディーを剣で征し追い返す。


アンヌ王妃の窮地を察した公爵は、首飾りを返すことを承知する。しかし、最後の思い出に今夜の舞踏会まで待って欲しいと言い出す。


■Explanation■
ダルタニャンを乗せた船がカレーを出発。そこへ、港に残してきた愛馬ロシナンテが、なんと海を泳いで追いかけてくる。
こうして三銃士に替わり、ロンドンではロシナンテとコピーという動物コンビが、ダルタニャンの力強い仲間となる。


ミレディーが忍び込んだ公爵の館。その隠し部屋にはアンヌ王妃の巨大な肖像画が掲げられていた。おそらくここで公爵は、王妃への想いを募らせていたのだろう。
そして、肖像画以上に王妃の存在を感じる物として、首飾りは公爵自身が身に着けていたのだ。


ウィンザーの狩場で再会するダルタニャンと公爵。そこにミレディーが割って入る。
ダルタニャンとミレディーが対峙するのは、やはり公爵を巡るパリ逃走(6話)以来になる。
ミレディーに剣を向けるダルタニャンには、いつもの明るさ勇ましさが見えない。敵とは言え、やはり女性とは戦いたくないのだろう。


だが皮肉なことに、ここから首飾りを巡る、ダルタニャンとミレディーの熾烈な戦いが展開されることになる。

■Dialogue/Monologue■

バッキンガム公爵「月曜日なら4日ある。充分間に合うだろう」

月曜日とは舞踏会の行われる日。その余裕にミレディーが漬け込むことになる。

ダルタニャン「ミレディー、やっぱりアンタの仕業だったのか…」

久々にミレディーと再会したダルタニャン。その表情は、どこか悲しげだ。


■Next Episode ~次回予告~■

バッキンガム「ウィンザー離宮に舞踏会の妙(たえ)なる楽(がく)の音(ね)が響き渡る時、さんざめく人々の間に、幻のようにアンヌ王妃のお姿が」
ダルタニャン「バッキンガム様ぁ、それはミレディーの罠です!」
バッキンガム「しかしダルタニャン。私は今確かにこの手で!王妃を抱きしめたのだ!」
ダルタニャン「あっ!公爵様、ダイヤが!」
バッキンガム「何!?」
ダルタニャン「次回『アニメ三銃士』《王妃のダイヤモンド》」
バッキンガム「アンヌ王妃、貴女の美しさが私を惑わせるのです」

公爵が王妃への想いを、詩の如く叙情的に語る予告。「妙なる(=言葉で表せないほど素晴らしい様子)」という子供たちには、否、大人でも馴染みの無い言葉を使っているのが、公爵の浮世離れぶりを感じさせる。
呆れたような声色で呼びかけるダルタニャンの言葉にも耳を傾けず、王妃の幻に耽っている間にダイヤが…。という次回の内容をドラマティックに表している。


■Mousquetaires Journey ~三銃士紀行~■
本編の展開に合わせて、紀行もイギリス各地を5回に渡って紹介。今回はウィンザー城と聖ジョージ教会。
本編にも登場したウィンザー城は築城から900年以上の歴史を誇り、イギリスの波乱の歴史を刻んできたという。そしてバッキンガム公爵が仕え、ピューリタン革命で処刑されたチャールズ1世も、この城に埋められたという。
聖ジョージ教会ではイギリス人にとって名誉ある勲章である「ガーター勲章」の授与式が行われている。
映像をバックにバッキンガム公爵についての説明。公爵はチャールズ1世の王妃にスペイン王女を迎えようとするが失敗し、それに変わりルイ13世の妹アンリエッタ・マリーを王妃とすることに成功。そしてフランスに大使として向かった時に、アンヌ王妃と初対面を果たしたと語られている。


(記:2012年9月11日/追記:2020年04月10日)