アニメ三銃士

16話:急げ!ダルタニャン

■放送日:1988年3月4日 / 演出:渡部高志 / 作画監督佐藤雄三

■Story■
アミアンの街近くにある山脈に辿り着いたダルタニャン一行。そこで工夫に化けた刺客に襲われる。
一行は必死に抵抗するが、アラミスがダルタニャンを庇って肩に銃弾を受けてしまう。


ダルタニャンはアラミスを連れて先へ急ぎ、アミアンの街にある宿屋「金の百合」に泊まる。
アラミスの傷を治療しようとするダルタニャンだったが、アラミス女性であることを知られまいとそれを拒み、自分で治療する。


その頃、パリではミレディーがロンドンへ行くため、リシュリューから渡航許可証を受け取っていた。
さらに仕立て客を装いボナシューの元を訪れ、催眠術で一行の情報を聞き出そうとしていた。


しかし、ボナシューの様子を怪しんだコンスタンスとジャンは、ミレディーの存在に気づき、ジャンがミレディーの脱いだ服を探ったところ、偶然にもポケットから渡航許可証を見つける。
そしてコンスタンスとジャンは許可証をダルタニャンに渡すため、パリを旅立った。


■Explanation■
リシュリューによる第2の罠。ここで負傷したアラミスが今回の、そして来週の「お当番」になる。
銃で撃たれた傷口を治療する時、アラミスは女性であることを知られまいとダルタニャンを部屋から追い出し、独りで治療する。
これに似た展開がベルイール攻防戦のクライマックス(51話)でもあり、この時にダルタニャンは…。


部屋から追い出されたダルタニャン。
宿屋の看板に目印の帽子をかけようとして、偶然部屋を覗いてしまい、アラミスにお湯をかけられてしまう。事情を知らないダルタニャンは災難だ。


一方、ミレディーから渡航許可証を奪い、ダルタニャンたちを追いかけるコンスタンスとジャン。
脱いだ服のポケットに許可証を入れて、まんまと奪われるなんて、ミレディーにとっては珍しい凡ミス。ボナシューを利用して情報を得ていたのが裏目に出てしまう。
ともあれ、これによってパリに残っていたジャンとコンスタンス、そしてミレディーも一足遅れて冒険に加わることになる。


■Dialogue/Monologue■

アトス「アラミスは君の身代わりに撃たれたんだ。君が面倒を見るのが当たり前じゃないか」

敵の襲撃から、アラミスとダルタニャンを逃す時の言葉。
キツい言い方だけど、使者であるダルタニャンと負傷したアラミスを逃がすために言ったのだろう。

ダルタニャン「アラミスって、時々分かんないんだよなぁ」

治療中のアラミスがいる部屋を覗いてしまい、お湯をかけられての一言。
ダルタニャンがその理由を知るのは、もう少し先のことになる。


■Next Episode ~次回予告~■

ダルタニャン「ついに護衛隊の連中が俺たちに追い付いてきた。そしてローシュフォールは俺とアラミスの立て籠もった馬小屋に火を放ったのだ」
アラミス「アトスもポルトスもまだ来ないのか。このままでは焼き殺されてしまうぞ」
ダルタニャン「熱ちちちちっ!まったくやる事が汚いんだから」
アラミス「ダルタニャン!俺が奴らを迎え撃つ。その隙に逃げるんだ!」
ダルタニャン「そうはいかない!逃げるのは君だ、アラミス!」
アラミス「次回『アニメ三銃士』」
ダルタニャン「《一人はみんなのために》」
アラミス「諸君、また会おう」

今回はダルタニャンとアラミスによる掛け合いの予告。
本編では肩を撃たれて負傷しているアラミスだけど、締めの「また会おう」の言葉はそれを感じさせない凛々しさだ。


■Mousquetaires Journey ~三銃士紀行~■
ロアールのシュノンソー城を紹介。
シュノンソー城は水の上に浮かぶ城として有名で、橋館上の60メートルの回廊はベルサイユ宮殿の「鏡の間」の原型となるなど、モダンで美しい城として人々に愛されていたという。
本編から時代が下り、フロンドの乱(1648~1653年)の時は幼いルイ14世と王母アンヌがロアール川畔の城へ避難したことも語られている。


(記:2012年9月1日/追記:2020年04月10日)