アニメ三銃士

8話:アラミス救出作戦

■放送日:1987年12月4日 / 演出:高本宣弘 / 作画監督:辻初樹)

■Story■
ロシュフォールたちが再びアラミスを捕らえに来た。今度はアラミスの家にあったバッキンガム公爵の服を証拠にした、正式な逮捕だった。そしてアラミスは反逆罪容疑でシャトレの牢獄へ投獄された。


それを知ったトレビル隊長はアンヌ王妃に相談する。すると王妃は、公爵を騙してパリへ誘き出したとして、リシュリューを逆に告発しようと考える。そこでリシュリューは、口封じにアラミスを殺害するようロシュフォールに命じる。これを偶然聞いたコンスタンスはダルタニャンに相談。アラミス救出の作戦を考える。


ダルタニャンとジャンはフードを被り一人の女性になりすまし、獄中のアラミスに面会。二人と入れ替わり、アラミスが牢獄を脱出する。そして、ジャンの作ったボウガンを使い、牢獄の二人にヤスリを渡す。そのヤスリで鉄格子を破り、二人も脱出する。


一歩違いでアラミスに逃げられ、悔しがるロシュフォール。そこへ現れたのは、国王によるアラミスの赦免状を持ったアトスとアラミスだった。


■Explanation■
単発エピソード第2弾は、前回に続いてアラミス救出のエピソード。


冒頭は日常的なシーンから。風呂屋業を再会したダルタニャンとジャン。タライや桶などの商売道具は6話(バッキンガム公爵を連れてパリを逃亡するシーン)で壊れてしまい廃業したのかと思ってた。
もっとも、風呂屋のエピソードは今回が最後になるんだけど。パリの街を流しながら、ダルタニャンはお客の赤ん坊をあやしたり。ジャンは赤ん坊の母親を見て生き別れの母を思ったり、同じ年頃の子供たちとボウリングを楽しんだり。微笑ましいシーンが並ぶ。


そこへ訪れた、アラミスの逮捕・投獄、そして暗殺の危機。公爵を匿った証人として逮捕しておきながら、自分の陰謀を探られると思った途端に殺そうとする。今回のリシュリューの計画は、あまりにも場当たり的。
これも「捕らえられて暗殺の危機にあるアラミスを救う」というストーリーを作るための方便なんだけど。


アラミスが投獄されたのは、シャトレの牢獄。鉄仮面編の後半ではメインキャラが続々収監されて、物語の重大な舞台となるんだけど、シリーズ前半においては今回限りの登場。また、看守長のベーズモーも登場せず。


牢を破ろうと必死のジャンと、牢に迫るロシュフォールの対比が緊張感を煽る。そして、ついにやって来たロシュフォールがベッドに刃を突き立てた!…と思いきや、そこはもぬけの殻。既にダルタニャンとジャンは牢を破り、街の屋根を疾走していた。
さらに、そこへ赦免状を持ってアトスとポルトスが登場し、痛快な一件落着となる。


ラストは、久々となるアラミスの入浴シーン。もっとも、アラミスのサービスシーンは、これで最後なんだけどね(あとは傷を治療する時に胸元がチラ見えする程度)。


■Dialogue/Monologue■

ジャン「仕事なんてしたくない、自由が一番」

子供ながらに人形売りや風呂屋の商売をしてきたジャン。でも、ボナシュー宅に居候して衣食の心配が無くなった途端にニート宣言です。

アトス「国王陛下の赦免状だ、アラミスは自由の身となったのだ!」

アラミスに逃げられて悔しがるロシュフォールに、トドメの一言。
赦免状を突き付けて誇らしげに宣言するところが、また格好良い。


■Next Episode ~次回予告~■

ジャン「ジャーン!アニメ三銃士では、皆さんからのイラストを募集しています。
思わず笑っちゃうような愉快で楽しいイラストや、ウットリするような綺麗なイラスト。
力がこもっちゃう格好いいイラスト。
何でもかんでも、皆さんの傑作・名作・自信作をハガキに描いて送って下さい。
送り先は番組の最後でお知らせします。
おいらのイラストもジャンジャン頼むぜ。待ってるよ!
さて、次回の『アニメ三銃士』《はだしのジャンのお母さん》。
よ・ろ・し・く・ジャーン!」

今回は視聴者へのイラスト募集告知。ジャンが「愉快で楽しい」とか「うっとりするような」とか「力がこもっちゃう」などユーモラスな表現を連発しているのは呼び込み口上のようで面白い。
ちなみに、本格的にイラストが集まるまでは、同じ学研から出版されている『学習と科学』や『アニメディア』に寄せられていたイラストを流用して紹介していたらしい。
なお、次回はジャンの母親探しを描いたエピソードだけど、内容についてジャン本人からの紹介が無かったのは、ちょっと残念。


■Mousquetaires Journey ~三銃士紀行~■
パリのリュクサンブール宮殿の映像を背景に、ルイ13世の母であるマリー・ド・メディシスを紹介。
ルイ13世が8歳で王位に就くとマリーは摂政となったが、ルイが16歳の時にクーデターを起こし、マリーとその配下だったリシュリューはパリから逃亡。7年後にルイとマリーは和解し、マリーはリュクサンブール宮殿に帰ったという。しかし、本編終了後の1630年にマリーはリシュリューと対立して再びパリを追放され、二度と戻ることはできなかったという。
この一連の事件はTVシリーズ終了後に公開された劇場版『アラミスの冒険』の背景になっているのでお馴染みかも。もしかしたら、この時点で既にマリーを登場させた、劇場版のような物語の構想があったのかも。


(記:2012年7月10日/追記:2020年03月29日)