アニメ三銃士

5話:ラブレターの罠

■放送日:1987年11月6日 / 演出:渡部高志 / 作画監督:辻初樹

■Story■
ジュサックと揉め事を起こしたことにより、ダルタニャンはトレビル隊長に叱られ、アラミスも謹慎処分を受けていた。そんな折、ダルタニャンは謎のイギリス貴族から風呂を頼まれ、ついでにシューブルーズ夫人宛の手紙の使いも頼まれる。


その手紙とはアンヌ王妃に宛てたラブレターで、イギリス貴族の正体はイギリス総理大臣・バッキンガム公爵。公爵は王妃の追放を図るリシュリューの陰謀により、偽の手紙でパリへやってきたのだった。


王妃の危機を救うため、コンスタンスはダルタニャンと三銃士に公爵探しを依頼。そして、公爵が待ち合わせに指定したサンジェルマンの大市へ行く。
大市で公爵が護衛隊に逮捕されそうになったその時、ダルタニャンたちが駆け付ける。三銃士の助けで公爵を救い出したダルタニャンは街外れの墓地へ逃げ込み、塔の頂上まで護衛隊を誘い出し撃退。ロシナンテの背に飛び乗って逃げ切った。


■Explanation■
冒頭、ポルトスに連れられてトレビル隊長の館へ向かうダルタニャン。「銃士になれる」とばかり思っていたけど、さすがに都合が良すぎる。3話に続いて、再びトレビルに叱られ落ち込むダルタニャンは哀れだ。


今回はバッキンガム公爵を巡るエピソードの前編。ダルタニャンたちの風呂屋を公爵が使ったことが、事件解決の糸口となる。風呂屋の設定って、アラミスのヌードを見せるためだけじゃなかったんだな(笑)。


後半はダルタニャンが大活躍。護衛隊に取り囲まれた公爵を救い出し、護衛隊の追撃を振り切り、塔の階段で大立ち回りを演じ、極めつけは塔の頂上から、公爵と共にロシナンテの背中へピンポイント着地して、颯爽と走り去る。
前回・前々回は情けなかったけれど、久々に胸のすく活躍ぶりを見せるダルタニャンでした。


■Dialogue/Monologue■

ジャン「女は身だしなみが大事だと思うけどな。おいら見ちまったんだ」

アラミスに風呂を使ってもらおうとして言った言葉。前回の「誰にも言わない」という決意の一方で、明らかにアラミスを脅しています。とんでもないクソガキです。口封じに殺されてもおかしくないぞ(笑)。

ロシュフォール「ダルタニャンめ!俺はお前が大嫌いだ!」

塔の頂上から突き落とされての言葉。当然と言えば当然なんだけど、それを大声で叫ぶところがまた笑える。


■Next Episode ~次回予告~■

ダルタニャン「ジャン、今日はいっぱい走って疲れちゃったよ」
ジャン「何言ってんだよダルタニャン!公爵様が無事にパリから脱出できるまで、ゆっくりしていられないよ!」
ダルタニャン「分かってるよ。ミレディーもローシュフォールも、ホントしつこいんだから。
よぉし、ロシナンテ!もうひとっ走り行くぞ!」
ロシナンテ「ヒヒーン!」
ダルタニャン「次回『アニメ三銃士』」
ジャン「《パリの大逃走》」
ダルタニャン「また観てくれよ」
ジャン「よ・ろ・し・く、ジャーン!」

ダルタニャンとジャン(とロシナンテ)による、初となる掛け合いでの予告。
「疲れちゃった」とか「しつこいんだから」とか、本編で見せる元気で格好いい姿とは違った弱音を漏らしているのが面白い。


■Mousquetaires Journey ~三銃士紀行~■
パリのマリー橋を紹介。
1614年の起工式にはルイ13世と王母マリ・ド・メディシスも出席し、1635年にようやく完成したという。つまり『アニメ三銃士』の時代設定(1625年)には、まだ工事中だったのか。
そしてマリー橋の映像をバックに、この回のゲストキャラであるシュヴルーズ夫人についての解説。陰謀と冒険が好きな才女で、王妃の味方として反リシュリューの工作を続けたという。そして1626年・1632年・1637年と3度もフランスから追放されるも、すぐに舞い戻ったという。
そんなドラマティックな人生を歩み、原作小説でもアトスやアラミスと深い関わりを持つ重要人物として描かれているけど。『アニメ三銃士』では王妃とバッキンガム侯爵の手紙の仲介人として、わずかな出番しか描かれなかった。何とも勿体無い気もする。


(記:2012年7月10日/追記:2020年03月07日)