アニメ三銃士

3話:パリの三銃士

■放送日:1987年10月23日 / 演出:水谷貴哉 / 作画監督:小林一幸

■Story■
ダルタニャンは銃士隊へ入隊すべく、トレビル隊長の館を訪れる。しかし、そんなダルタニャンをミレディーの罠が待ち受けていた。


ミレディーの操るコウモリがアトスの顔に泥を撥ね、アラミスの髪に栗のイガを落とし、ポルトスの頭に火の付いたロウソクを落としたことが切っ掛けで、ダルタニャンは彼ら決闘することになる。その三人が銃士隊最強と言われる「三銃士」と知らないダルタニャン。その無茶振りにトレビル隊長やジャンは呆れてしまう。


決闘場所の風車小屋にはミレディーとロシュフォールたち護衛隊が、ダルタニャンと三銃士を「決闘禁止令」で逮捕しようと待ち構えていた。そして決闘の時間、ダルタニャンたちが決闘を始めようとした時、ジャンとコンスタンスが駆けつける。コンスタンスの懸命な説得により、ダルタニャンたちは決闘を中止する。
さらに潜んでいた護衛隊が決闘未遂罪で逮捕しようとするが、駆けつけたトレビル隊長により事なきを得る。


しかし、ダルタニャンはその行動をトレビルに激しく叱られ、剣も折られてしまう。
落ち込むダルタニャンだったが、この事件を通じて三銃士との間に友情が生まれた。三銃士も自らの剣を折り、4人が折れた剣を合わせて友情を誓い合った。


■Explanation■
冒頭でいきなりダルタニャンの銃士隊叙任式が…と思いきや、夢オチなのはお約束。


銃士隊の本部であるトレビル隊長の館が初登場。館内では銃士隊の普段の様子が垣間見られる。アラミスが隊員たちに剣術指南をしているシーンもが印象的。


それにしても、ミレディーの罠にハマり三銃士と決闘の約束をするダルタニャンは無茶すぎる。しかも、勝てる気満々。三銃士の方は懲らしめる程度にしようと思っていたけど。
そんなダルタニャンを止めたのがコンスタンス。出会ったばかりのダルタニャンをここまで心配するなんて、コンスタンスも結構意識しているのかも。


銃士になるどころか、トレビルに剣を折られ、故郷へ帰るよう叱られるダルタニャン。確かに厳しいけれど、軽率な行動ばかりのダルタニャンには良い薬だったかも。
これを切っ掛けにして、三銃士という良き友も得たし。


作品タイトルにもある「三銃士」も登場して、いよいよ『アニメ三銃士』が本格的に動き出すことになる。


■Dialogue/Monologue■

アトス「お前が今、私の顔に泥水をはねたのだ!」
アラミス「君君、そんな所に馬を繋がないでくれ。栗のイガが落ちるじゃないか」
ポルトス「こら小僧!よくも火の着いたロウソクを落としたな!」

決闘の切っ掛けとなった、三銃士とのファーストコンタクト。この後、言い争いの末にダルタニャンの方から(←重要)決闘を切り出しています。
さらに言うと、ポルトスの頭にロウソクを落としたのは、紛れも無くダルタニャンです(ミレディーのコウモリはロウソクを揺らしただけで落とし損ねた)。

ダルタニャン「定員なら今日のうちに3つ空きができます。僕が3人の銃士と決闘するからです」

トレビルから「銃士隊は定員一杯だから」と入隊を断られた時の言葉。このハッタリというか、根拠の無い自信がダルタニャンの魅力…なのか?

トレビル隊長「明日になってまだ命があれば、ここへ来たまえ」

ダルタニャンから三銃士と決闘すると聞かされた時、呆れて言い放った言葉。三銃士に懲らしめられて入隊を諦めるだろうと想ったのか。それとも「三銃士に殺されるぞ」と言いたかったのか。

トレビル隊長「剣の技だけを自慢するような人物は銃士隊にはいらん!銃士隊に入るには剣よりも心だ!」

ダルタニャン自慢の剣をポルトスに折らせて言ったセリフ。軽い気持ちで銃士になろうと思っていたダルタニャンを厳しく打ちのめす。

アトス「みんなは一人のために!一人はみんなのために!」

アニメ三銃士』の代名詞とも言うべき名台詞が初登場。ここでは三銃士のリーダーであるアトスが代表して言ってます。


■Next Episode ~次回予告~■

ダルタニャン「俺、ダルタニャン。
今度ジャンと、セーヌ川の水を使ってお風呂屋さんを始めたんだ。
ところが、銃士隊と仲の悪い護衛隊の奴とケンカになっちゃった。
トレビル隊長には無闇に剣は使うなって言われてるし。
あーあ、銃士になるのも結構大変なんだよなぁ。
次回『アニメ三銃士』《ダルタニャンのお風呂屋さん》、
また観てくれよな!」

ようやく主人公・ダルタニャンが次回予告を担当。
この回ではトレビル隊長に怒られたり剣を折られたり散々だったので、「銃士になるのも結構大変」という言葉にも説得力を感じてしまう。
映像は次回分(4話)を使用。アラミスが家の窓からダルタニャンたちを呼び止めるカットもあったけど…。この予告を観た限りでは、次回で作中最大のサプライズが描かれるとは誰も思わなかったはず。


■Mousquetaires Journey ~三銃士紀行~■
パリのヴォージュ広場を紹介。
ここはリシュリューが住んでいたという説もある程の由緒正しい場所らしい。また「広場では数多くの決闘が行われた」と、ダルタニャンと三銃士の決闘(未遂)を描いた3話の内容に絡めた解説も。
そして広場中央にはルイ13世の騎馬像はリシュリューが王に贈ったもので、フランス革命時に壊されたけど19世紀に再建されたという。


(記:2012年7月10日/追記:2020年03月07日)