アニメ三銃士

Column24 語ろう!『アニメ三銃士』(気になるアラミス・後編)

アラミスに関する証言特集の後編。出典は前回に続きアニメ情報誌「月刊アニメディア」1988年12月号の特集記事「気になるアラミス」より。

djpost1987.hatenablog.com
今回紹介する証言はアラミス役の声優・山田栄子さん。そしてファン代表として掲載された読者2名。なお、出典元では読者の氏名(おそらく実名)が掲載されていましたが、本記事では「Aさん」「Bさん」と仮名表示にしてあります。


では関係者コメントの「真打」として、アラミスに声を、そして命と魂を吹き込んだ声優・山田栄子さんの証言を紹介します。

女として演じるか男として演じるか、最初は迷いました。でも物語の中でもアラミス自身、周りにバレないように男になり切ろうとしているわけで、私も男になり切ったつもり。だから、回想シーンで『フランソワ!』って、そこはルネに戻って女の声でやんなきゃいけないんだけど、テレ臭くてね。
男の人がオカマ役を演じるときの恥ずかしさみたいな、変な感じさえしました。

演じる側からアラミスの魅力を語る山田さん。普段は男性になり切って演じていただけに、女性である「ルネ」のシーンでは切り替えは大変だったことが伺えます。また他のスタッフ陣がアラミスを「美形」や「中性的」と表現しているのに対して、「オカマ」というコミカルな表現を使っているのも自身が演じているが故の親しみが感じられます。


さてここからはファン代表である読者の声。ここからもファンが感じていたアラミスの魅力、さらにはファンが望んでいたアラミスの将来などが伺えます。

【読者・Aさん(埼玉県)】
オスカルの大ファンで、彼女に通じるところがあるから好きなんです。女性なのに男まさりで、男装のアラミスが好き!これからもダルタニャンを助けて、弟のように励ましてあげて欲しいですね。
原作では僧侶になっちゃうけど、アニメのラストも、静かな余生を送れるような、そんなおだやかな結末だったらいいのにね。

当然と言うべきか、アラミスを同じ男装の麗人キャラ(それも同じフランスを舞台にした歴史物)である『ベルサイユのばら』のオスカルに重ね合わせる声。またダルタニャンとの関係を兄弟(姉弟)に例えているのは独特の視点。
また、アラミスの将来については「静かで穏やかな余生」を期待しているけど、劇場版で描かれた「その後も銃士を続ける」というラストにどんな感想を持ったのでしょうか。

【読者・Bさん(千葉県)】
戦ってる時のアラミスがカッコ良くて大好きです。ちょっぴりクールだし。そんな時は、男性の美形キャラと同じ感覚で見てるんですが、できれば、最後は元の女性に戻してあげたいですね。
映画では、女性のシーンが多いそうですが大賛成!ステキなレディになれると思うし、テレビと違う面もたくさん見せてください!

こちらは戦うアラミスに魅力を感じつつも「最後は女性に戻して欲しい」というファンの声。劇場版についても女性のシーンに期待している辺り、銃士としてのアラミスとは違った「本来の姿」が観たかったのでしょう。


今回の証言が掲載されてから28年が経ちました。コメントが紹介された2人の読者さんはテレビシリーズのクライマックスや劇場版で描かれたアラミスの活躍に、どんな感想を抱いたのでしょうか。そして今でも『アニメ三銃士』とアラミスのファンを続けているのでしょうか。


そして山田栄子さん。ちょうど現在放送されている『ドラゴンボール超』の「未来トランクス編」に、ヒロインのマイ役で出演しています。元々マイは『ドラゴンボール』シリーズの最初期に登場していた敵キャラの一人に過ぎなかったのが、紆余曲折を経てシリーズ30周年目にしてまさかのヒロイン抜擢という大出世を果たしました。そして何より、女性でありながらショットガンを片手に戦う姿は、どこかアラミスにも通じる凛々しい魅力が感じられます。
というワケで『〜超』のマイが切っ掛けで「声優・山田栄子」に興味を持った方は、『アニメ三銃士』をご覧になることをオススメします。