今回からは『別冊アニメディア アニメ三銃士 PART1』に掲載されたインタビューなどを紹介します。
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なお『PART1』と銘打ってありますが、残念なことにテレビシリーズ後半を収録予定だったであろう『PART2』は発行されず、現時点では『アニメ三銃士』唯一のガイドブックとなっており、それ故に他では読めない貴重な証言が大量に掲載されています。
第1回となる今回は「アフレコスタジオ通信 素顔のメインキャラたち」と銘打って掲載されたメインキャストのインタビューより、導入部にあたる箇所を紹介します。
まずはアフレコの雰囲気については、こう紹介されています。
ACT1 ワキアイアイ!一致団結のAR(アフレコ)スタジオ
『アニメ三銃士』のアフレコは、毎週金曜日、東京タワーの側の某スタジオで行われている。プロデューサー、監督を始め、多くのスタッフが一人として欠けることなく毎週ミキサールームにつまる。その熱心さと熱意。そして作品自体のオモシロさで、声優たちの間でも良い物を作り上げたい!という思いが盛り上がる。スタッフと声優が一丸となって熱気ムンムン!そんな現場の状況を、後ページの座談会に出席してくれた三人が語ってくれた。
アフレコが行われていたのは、放送日と同じ金曜日だったとはトリビア。スタッフ・キャスト陣にとって金曜日は、昼間はアフレコを行って夜はテレビの前でオンエアを観る、まさに『アニメ三銃士』の曜日だったことでしょう。
なお、文中の「座談会」ことダルタニャン役の松田辰也さん・ミレディ―役の平野文さん・アラミス役の山田栄子さんによる座談会の模様は今後紹介予定。このページでは短めのコメントを寄せています。
まずはミレディーを演じる平野文さんのコメント。
「アニメの場合の録音って、失敗した人がいたとしたら、そこで一応止めてまた途中からやり直すというコマ切れの録り方をして行く場合が多いのに、『アニメ三銃士』の場合は、失敗してもワンロール流しっぱなしにしてくれるんです。そうすると自分が演技プランを立てたそのまんま、最後まで持続していけるでしょう、それはすごくスタッフの方が役者さんのことを考えて下さっているんです。ホントにありがたいことだと思っています」(平野文・ミレディー)
当時のアフレコはフィルムのワンロールごと(10分程度)に収録していて、途中で間違えたら最初からやり直しというシビアな作業。これについては当時を経験したベテラン声優さんが「苦労した」「大変だった」と振りかえることも多い。
しかし『アニメ三銃士』では中断せずにワンロール最後まで流した上で再度収録するという、一見すると時間も手間も掛かる形式だった。それによって声優陣が演技プランを作り込めていたというのは、確かに有難かったはず。スタッフ陣の配慮と、それに対する平野さんをはじめとした声優陣の感謝が感じられるコメント。
続いては我らが主人公・ダルタニャンを演じる松田辰也さん。
「初め、いわゆるアニメの声の出し方を意識しちゃってたんですけれど、逆に自然なセリフを求められるんです。棒読みでも心を打つセリフはあるんだよって言われてショックでした」
(松田辰也・ダルタニャン)
パイロット版『鉄仮面を追え』から唯一キャスト変更となったダルタニャン。パイロット版で感情豊かにダルタニャンを演じた古川登志夫さんに変わって松田辰也さんが抜擢されたわけですが。その理由が松田さんのコメントにあるように「アニメの声」ではない、「自然」で「棒読みでも心を打つ」という、ダルタニャンの素朴さ・純朴さを表現するのに相応しい演技ができるからこそだったと垣間見えます。
そして三銃士の、否、作品の一番人気を誇るアラミスを演じる山田栄子さん。
「毎回、毎回、台本をいただくのが楽しみでしょうがないんです。出演している役者が次はどうなるのかなって思えるのは、すごく少ないんですよね。スタッフも出演者も一生懸命になってやっているから、とても楽しい」
(山田栄子・アラミス)
『アニメ三銃士』に出演する楽しさをストレートに語る山田さん。特にアラミスは序盤に「実は女性」という秘密が明かされてから、常に物語の中心にいて見せ場も多いから、さぞワクワクしながら演じていたんだろうなぁ。
次回からは、このお三方による座談会の模様を紹介します。