アニメ三銃士

28話:ミレディーの復讐

■放送日:1988年6月17日 / 演出:アミノテツロー / 作画監督:新田敏夫

■Story■
ブローニュの森の水車小屋へ着いたダルタニャンは、中で縛られていたコンスタンスを救おうとするが、仕掛けで地下に落とされ水攻めに遭う。
さらにミレディーは小屋に火を点け、コンスタンスも焼き殺そうとする。


しかし、ロシナンテの活躍でコンスタンスが小屋を脱出し、ダルタニャンも水攻めから脱出する。
そこへ、コピーによって事態を知らされたジャンと三銃士が水車小屋に駆けつけ、ミレディーは逃亡する。
水を大量に飲んで意識不明だったダルタニャンも、コンスタンスの人工呼吸によって息を吹き返した。


ダルタニャンの始末に失敗したミレディーはリシュリューに頼み、あらゆる行為をリシュリューの名において正当化する赦免状を書いてもらう。
そして、街にある工事中の家屋に目をつけ、赦免状を使い召し上げる。


後日、ダルタニャンとコンスタンスは改めてデートをする。
二人は街を歩くうち、一匹の猫を追って建築中の家屋に入る。しかし、そこはミレディーが召し上げた家屋だった。
ミレディーが仕掛けた爆薬により突然爆発を起こし、二人は瓦礫の下敷きになってしまう。


■Explanation■
ダルタニャンとコンスタンスを襲うミレディーの罠。地下に落とされたダルタニャンが水攻めに遭い、ジワジワと追い詰められてゆく描写は、普通のアクションシーンとはまた違った緊迫感がある。


そんなダルタニャンの危機を救ったのが、ロシナンテとコンスタンス。
特にコンスタンスは、溺れて意識の無いダルタニャンを守るため、剣を持ってミレディーに立ち向かう。
怯えながらも必死に剣を振り回す姿には、どこか健気さを感じてしまう。当然、ミレディーに叶うはずもないのだけど。
そして「溺れた主人公へのお約束」である人工呼吸と、ヒロインの面目躍如。


一方、ミレディーは次なる手段としてリシュリューに赦免状を貰う。
リシュリューにとっても「邪魔なダルタニャンを始末するため」という目的のためなんだけど、どこか「ミレディーに利用されている」という印象がする。


仕切り直しのデートをするダルタニャンとコンスタンスは、先日の事件など無かったかのようにラブラブ。
建築中の家で、ダルタニャンがプロポーズ(としか思えない言葉)を言い、コンスタンスも快く応じ、新婚夫婦よろしくママゴトをする。
二人にとって幸せな瞬間だったに違いない。


しかし、次の瞬間には、二人を更なる悲劇が襲う。


■Dialogue/Monologue■

ミレディー「ダルタニャン、銃士になれたそうね、おめでとう。せっかく銃士になれたのに残念ね、これも運命と思ってあきらめるのね」

水車小屋の地下に落とされたダルタニャンに対する、ミレディーからの言葉。
いかにもミレディーらしい、皮肉に満ちた銃士祝いの言葉。

ダルタニャン「あれ、みんないたのか。何しに来たんだ?」

コンスタンスの"人工呼吸"で息を吹き返した時の第一声、のん気なもんだ。

赦免状の文面「この書類を持つ者は、余の命令により、我がフランスのために行動する者と認める。リシュシュー」

リシュリューがミレディーに与えた、あらゆる行動を正当化してしまう魔法の文言。
それが、どんな悪行であっても。

ダルタニャン「こんな所でコンスタンスと一緒に暮らせたらいいんだろうな」

仕切り直しのデートの途中で立ち寄った家にて。
言われたコンスタンスも、嬉しそうに答える。しかし、この直後に…。


■Next Episode ~次回予告~■

ミレディー「リシュリュー様、ダルタニャンとコンスタンスを仕留めました」
リシュリュー「ところがミレディー、ダルタニャンは無事だ」
ミレディー「何ですって!」
リシュリュー「コンスタンスは意識不明の重傷だが、奴は自分を罠にかけた犯人を捜し回っておる」
ミレディー「おのれぇ。この上は今一度罠をかけ、ダルタニャンの息の根を止めてごらんにいれます!」
リシュリュー「うむ!次回『アニメ三銃士』《ノートルダムの大鐘》。期待しているぞ、ミレディー」」

今回はミレディーとリシュリューによる掛け合いの予告。
「成果」を意気揚々と報告するミレディーと、淡々とダルタニャンの無事を伝えるリシュリューの会話は、どこかコントっぽさを醸し出している。
なお、リシュリューが予告に登場するのは今回だけなので、その意味でもレアな予告だ。


■Mousquetaires Journey ~三銃士紀行~■
前回に続きノートルダム大聖堂と、ここで行われたナポレオンの戴冠式を紹介。
ナポレオンは1804年に国民投票で皇帝に選ばれ、ノートルダム大聖堂で豪華な戴冠式を挙げた。この戴冠式でナポレオンは皇帝の力を人々に示すべく、ローマ法王から冠を受けるのではなく自分で自分の頭に冠を載せ、さらに王妃にも自分の手で冠を授けたという。
映像ではその式を忠実に再現したジャック=ルイ・ダヴィッドの絵画を用いて解説している。


(記:2012年9月12日/追記:2020年04月18日)